アンチコンピュータ戦略(16)

人間が格上のソフトに本気で勝ちにいくとすれば、どういう戦略を立てるべきか。
事前の研究で序中盤に再現性の高いスキが見つからなければ、入玉を目指しやすい戦形を選ぶ、という方向になるだろう。

59図は今日未明の▲人間-△Pona1Feb戦。
相矢倉の終盤で、形勢は人間敗勢。
ここから△8三金ならばどうしようもないだろう。
Bonanzaの推奨手は△8三金。激指は△6三銀。
GPSは△3九龍で、Ponaの指し手も△3九龍(60図)だった。

もう人間側はトライ勝ちしか考えていない。
60図以下は▲7四玉△2八龍▲7三玉△2六龍と大駒2枚を取られるにまかせ、▲6二玉△5三角に▲5一玉(61図)とトライ。

61図では△4一金以下、先手玉は簡単な詰みがある。
しかしトライルールでは先手の勝ちだ。
トライルールがなければ、途中でうまく9一香をとりのぞいて、▲9一玉ともぐる形を作れるかどうか。
やっていれば、そのうち逆転して先手勝ちになっても、おかしくはない。

62図は今日の昼、▲人間-△Pona2Apr戦で、戦形はやはり相矢倉。
人間側が苦戦の中からやはり入玉を目指して、比較的余裕のあるトライ勝ちを目指せるかという状況。
そこでPonaは△2四角(63図)と打ってきた。

これはトライ阻止の意図だろうか。
63図以下は▲2五歩△1五角▲1六歩△5五馬▲同歩△3三角(64図)と進む。

こう進んでみると、Ponaが5一の地点に角を利かせ続けようとしているのは、偶然ではないと思えてくる。
▲1五角△同歩にも、再度△3三角と打つ。
以下▲5四歩と突いて△7七角成を誘っても、乗ってこない。
そして指された手は△5一歩(65図)である。

これは・・・。
これはついに、トライルールに関する思考ルーチンが搭載されたということなのだろうか。
65図からは▲5一同成桂△7七角成▲4一成桂△3三馬(66図)と進む。

Ponaはやはり、あくまでもトライを阻止しようとする(ように見える)。
66図からは▲4二角△同金▲5一玉で、この一局は人間の勝ち。

Ponaの一連の指し手がトライ阻止を意図したものか。
あるいはただの偶然か。
判断をするには、今後の実戦例を見る必要がありそうだ。


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