2008年3月28日

幻庵

 北条長綱(1493~1589)は初代・早雲の三男で、二代・氏康の弟。一族の五代百年を見た人で、家督を譲ってからは幻庵宗哲と称した。その名前が奇しくも表す通り、後北条氏の興亡は、白昼の幻のようにも思える。

 囲碁の井上因碩(1798~1859)は井上家の十一代目で、一般に幻庵因碩と呼ばれる。盤上、盤外にわたる本因坊家との争いに末に、ついに名人碁所になれなかった。囲碁の世界では「幻」のように、形而上的、観念的で色彩鮮やかな字がさほど大げさに感じられない気がする。

 将棋界で幻庵といえば5世名人二代伊藤宗印(1655~1723)。「幻」の字は「玄」とも書く。何かの文献で読んだが、宗印自身は「玄庵」を使っていたようだ。確かに将棋の世界では、「玄」の字の方がしっくりする気がする。

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